Tendo

受け継がれる
こだわりと想い

私たち天童木工の家具は、全て職人による手作業で製造しています。
安心を生む強度、日常を彩る美しさ、ストレスのない軽さ・・・
「お客様に納得いただける、確かな商品をご提供したい」という
想いと技術は、創業から現在、そして未来へ受け継がれるこだわりです。

「自分なりに理解し、工夫し
磨いていくことが大切です」
製造部接着班
笹原岳史
平成5年入社
成形合板家具の特徴は、何層にも重ね合わせた単板を型に入れ
プレス機で圧力と熱を加え成形(曲げる)する点でしょう。
この工程を担当する製造部接着班の笹原は言います。
「最も気を使うことは『不良品を出さない』ことです。
単板がしっかり接着されるように確認しながら作業をします」
家具のデザイン=型によって使用するプレス機は異なります。
単純に上下のプレスのものもあれば、上下、左右、斜めから
圧力をかける多方向プレス機もあり
中には、昭和20年代後半に製造されたプレス機も。
また、ここで使われる型は製品ごとに全てオリジナルで作ります。
この型の表面には、“作業のコツ”や“曲げの指示”が
歴代の職人によって、まるで暗号のように書き記されています。
「機械の使い方、“曲げ”の技術は、教わる先輩によって違います。
それを自分なりに理解し、工夫し、磨いていくことが大切です」
「まず、道具を使えるように
なるまでに10年かかりました」
製造部組立班
今田貞敏
昭和62年入社
パーツを図面通りに組み立て家具の形にするのが組立班の仕事です。
この工程では、製品としての高い品質と精度を確保するために
高度な技術と細心の注意、つまり経験が要求されます。
「まず、道具を使えるようになるまでに10年かかりました」
約20年間、この工程に携わる今田は言います。
「ここで使う道具は、玄翁(かなづち)やノミ、カンナなど
大工さんの7つ道具が中心ですが、カンナひとつとっても
製品に合わせて、刃の角度や形の異なる
大小様々な種類を使い分けます。時には道具も自作します」
道具を使いこなしてこそ、真の職人です。
天童木工には、高い技術を備え、その伝承においても際立つ者に
与えられる「マイスター」の称号を受けた職人がいます。
「『マイスター』の存在はプレッシャーであり、目標でもあります」
そんな今田の言葉通り、技術の追求に終わりはありません。
「天板と脚の接合部分を
指で触ってみてください」
製造部組立班
武者宏和
平成19年入社
座卓[S-0228]をご存知ですか?
1959年に登場し、今なお旅館などで活躍している代表作です。
特徴は、天板の四隅から脚にかけて内側にカーブするデザイン。
この部分の接合には、当時から膠(にかわ)が使われています。
人体にやさしい自然由来の接着剤であるということと
およそ20分で固まるという性質が、膠を使う理由です。
「木は素直じゃありません。パーツを組むと微妙に段差が出ます。
ですので、木に合わせて、微調整する時間が大切です」
平成19年の入社以来、この作業を担当する武者は言います。
わずかコンマ数ミリという段差を出さない繊細さ、根気、集中力が
要求される仕事だけに、1日で作れる量は多くて14卓程度。
武者が手掛ける、特徴的な四隅をもった製品は
座卓のほかにテーブル[T-2078]などわずかです。
「見かけたらぜひ、天板と脚の接合部分を指で触ってみてください」
「色、艶、手ざわりなど、
いかに合わせていくかが勝負です」
製造部塗装班
高橋久夫
平成3年入社
家具にとって塗装とは、木の表情を豊かに彩ると共に
傷や汚れ、湿気から家具を守る大切な役割があります。
塗りと研磨を何度も繰り返すことで、その効果が発揮されるため
天童木工ではこの作業を4〜12回、全て手作業で行います。
「バタフライスツール[S-0521]は、当初、デザイナーの柳さんに
何度も何度もNGを出されました。表面の凹凸や見えない部分も
綺麗に仕上げて欲しいという注文でしたから」
また、入社以来、塗装一筋で現在は椅子を担当する高橋は言います。
「人の顔と一緒で、木も一本たりとも同じものはありません。
製品の“美しさ”を引き出す最後の工程を与る者として
色、艶、手ざわりなど、いかに合わせていくかが勝負です」
通常、塗装は手板と呼ばれるカラーサンプルを元に作業します。
しかし木によって条件が異なるため、一枚一枚、塗布する量や
厚みを見極めなければなりません。そこには熟練の技が必要です。