
技術とノウハウを活かした新しい試み
軟質針葉樹林の有効活用や自動車などの工業製品への技術活用など
1940年の創業以来培ってきた家具作りの技術とノウハウに
その時代に合った新しい技術と自由な発想を掛け合わせることで
家具メーカーという枠を超えた新しいニーズや可能性にチャレンジし続けています
日本の森林を有効活用する
針葉樹の圧密加工
私たちが暮らす日本は、国土の67%が森林に覆われています。
「森を育て、森の恵みによって生かされる」
森との共生は、古くから日本人に受け継がれてきた暮らしの知恵でした。
しかし現在の日本の森林は、木材輸入の自由化や林業の低迷など、様々な要因によって危機に瀕しています。
この状況に対し、天童木工に出来ることは何か?
答えは、日本各地に残るスギやヒノキなどの針葉樹を、その優れた性質を生かした家具にすることで
日本の森林や林業に活気を取り戻すことでした。

新しい圧密加工技術が針葉樹の弱点をカバーする
[製材]
[単板製作]
1~5mmの厚さの単板をつくります。
[圧密]
スギやヒノキをはじめとする針葉樹は
主に柱やフローリングの材料として利用されています。
しかし木材自体が軟らかく傷つきやすいため
表面材などに使う場合はプレス機で圧力をかけ
強度・硬度を上げる必要があります。
これを圧密加工と言い建築材分野では一般的な技術です。
この技術は軟質針葉樹の可能性を大きく広げましたが
一方で、プレスする際に加える熱により表面が黒く焼けたり
フラットな面に使うことを想定して生まれた技術のため
繊細なデザインには向かないなど課題もありました。
課題解決の糸口になったのは
天童木工が日本でいち早く実用化させ
今日まで磨いてきた成形合板技術。
木材の薄板(単板)を何枚も接着剤で重ね合わせ
プレス機で圧力と熱を加えるという
天童木工ならではの家具づくりに
適した厚さの板をつくるために新しく開発した圧密技術は
木材に熱が加わるプレス時間が従来の圧密工程よりも短く
表面が綺麗で加工のしやすい単板の製作を可能にしました。
自動車内装部品、
木製プロダクトへの技術の応用
1987年より、天然木を使った自動車内装パネルの制作を開始しました。
その後もさまざまな研究開発をつづけ、これまでホンダ、トヨタ、日産、いすゞなどの
自動車メーカー各社様で採用されています。
一般で見られる木目内装部品は、天然木でなくプリント(印刷)のものが多くありますが、
当社では「銘木」と呼ばれる大変貴重な天然の木を使い、
熟練した職人の手によってひとつひとつ丁重に仕上げています。
天然木ならではの高揚感は、精妙で最高品質のインテリア空間を演出します。
今では、天然木のみならず、異素材のカーボンクロスを使用した自動車の内装部品も製作しているほか、
楽器やスマートフォンケースなど、私たちの身近にある家具以外の木製プロダクトにも
天童木工ならではの技術とノウハウを活かす取り組みを行っています。

木製プロダクト