Tendo

人の暮らしを想う
家具づくりを

優れた家具は、次の世代に受け継がれていく
ひとつの財産です。
長く愛され、長く使っていただける家具を提供するために
私たちは、成形合板の技術をいち早く実用化させ
練磨し続けてきました。
ここで挙げた4つの特徴はすべて
人の暮らしを想う家具作りの結果です。

強さ

強風に負けまいと踏ん張る木は倒れます。
柳のように、しなやかに風を受け止める木は倒れません。
“硬さ”ではなく、衝撃を吸収する“しなやかな強さ”。
それが成形合板の強さの秘密です。
しかし、はじめから強かったわけではありません。
―製材の時点から割れる可能性のある素材を取り除き
樹種の個性や特徴を見極め
最適な幅や厚みを割り出すために、何度も試験を繰り返す―
成形合板という技術に、職人たちが真面目に向き合った結果です。
例えば肘掛け部分以外、
継ぎ目のない一体成形のロッキングチェア[S-5226]。
脚部の強度を保つために、木片を間に挟み込んで
ひとつの形状に成形する「コマ入れ成形」が使われています。
こうした技術も、成形合板に真面目に取り組むなかで生まれました。
強さは、次の世代に受け継がれる家具の基本性能です。

美しさ

良質な家具の量産を可能にする技術として誕生した成形合板。
この技術を日本でいち早く取り入れた天童木工は
量産技術の確立だけではなく、美しさへの挑戦も行ってきました。
その背景には、剣持勇氏、柳宗理氏など
当時の日本を代表するデザイナーや、丹下健三氏をはじめとする
世界的な建築家たちの存在が関係しています。
薄くても強度を保てる成形合板は、無垢材では出せない
複雑な曲面やフォルムを可能にします。
この技術が、デザイナーや建築家の斬新な創造力を刺激しました。
彼らの美しさに対する飽くなき追求は
豊かな曲面を描く「3次元プレス成形」や
美しさの中に強さを秘めた「コマ入れ成形」などの
高度な職人技を生む原動力にもなりました。
美しさもまた、世代を超えて愛される家具に重要な性能です。

軽さ

一口に家具と言っても、形や用途は様々です。
例えば応接室やリビングに置かれるキャビネットは
余程のことがない限り動かしませんが
チェアは座ったり立ったりするときに少し引いたり
お部屋を掃除するときに動かすことの多い家具です。
チェア選びでは、座り心地や美しいデザインも重要ですが
女性でも、わずかな力で簡単に動かせること
つまり軽さも大切なポイントです。
家具作りにおいて、重くすることは簡単です。
しかし強度を保ちつつ軽くするには高い技術力が要求されます。
天童木工が得意とする成形合板は
合板そのものが強く、使う材料が少なくて済むため
無垢材に比べより軽く作れるのです。
軽いからストレスなく使える。それも優れた家具の性能です。

手触り

生活の中で使われる家具は、必ず手で触れるものです。
触れたときに木の表面がざらついていたり
ファブリックが雑に張り込まれていたら
決して良い印象は受けないはずです。
だから、天童木工は上質な手触りにこだわります。
塗装も一般的には塗りと磨きを
4~8回ほど繰り返しますが
天童木工ではさらに数を重ねて仕上げます。
皇室で使われる家具でも
著名な建築家が手掛けた施設に納められる家具でも
一般のお客様に向けたホームユース製品でも
品質に対する気配りに違いはありません。
昔から、山形には愚直に良いものを作る職人が多かったそうです。
私たちにも、そんな山形の
職人気質が受け継がれているのでしょう。