木と対話をする。
プロダクトへ導く技術とこだわり
木も種類によって強度や重さ、色、木目など
それぞれ固有のキャラクターがあります。
お客様に末永く愛される家具を提供する
その第一歩は、材料となる木と対話し
それぞれの個性を知ることから始まります。
木へのこだわりは
天童木工の歴史そのものです。
木を鍛える
木は応えてくれます
ウォールナット、ローズウッド、オーク、サペリ、ホワイトビーチ
お部屋のインテリアやお客様の個性に合った
樹種をお選びいただけるよう
天童木工は、厳選した木材を世界中から仕入れています。
仕入れた木材は、およそ1~5年間、屋外でじっくり天然乾燥させます。
ー木材を仕入れてから5年も寝かすー
現在のスピード感からすれば、確かに非効率かもしれません。
木は自然の中で生まれ、時間をかけゆっくり成長します。
天然の木を家具の材料として使えるようにするには
木に大きな負荷がかからないように
生まれ育った自然と同じリズムで
じわりじわりと水分を抜いていくことが大切です。
スピードと効率を優先し急激に乾燥させてしまえば
その過程で割れや反りが出る可能性が高まり
材料として使えない割合が増えてしまいます。
だから、ゆっくり、時間をかけ、木を鍛えるのです。
かけた時間の分だけ、木は応えてくれます。
木との対話から教わった、天童木工のこだわりです。
木を愛する
無駄にしたくない
天童木工は成形合板による家具作りを得意としています。
成形合板の最大の特徴は、厚さ1mm程の薄い板(単板)を
一枚一枚、木目が交差するように重ね合わせて作られる点です。
これにより、強くて軽いという相反する性質を両立しながら
繊細で美しい曲面を描く成形が可能になるのです。
成形合板にはもう一つ、大事な特徴があります。
それは、単板を木材から“カツラ剥き”のように切り出すため
木材を無駄なく使える、という点です。
単板ゆえに、どんなに複雑な形でも設計の段階から計算し
必要な形を無駄なく効率的にカットできます。
その結果、同じ木材から家具の材料として使える割合は
無垢材が約40%なのに対し、成形合板は約80%と言われています。
また、天童木工は地元山形県が推進するプロジェクト
「天童・不思議の森」に参加し、植林や下刈り、間伐など
森林の保護育成を行うほか、そこで出た間伐材で
ベンチを作り、市民のみなさんに提供しています。
大切な資源を少しでも無駄にしたくない。
木を愛し、自然と共に生きる、天童木工のこだわりです。
木を導く
職人技が要求されます
英語でPLYWOOD(プライウッド)と呼ばれる成形合板。
家具の材料として使われ始めたのは1930年代です。
天童木工は、創業から7年後、終戦直後の1947年に
この技術を取り入れ、日本でいち早く実用化させました。
木材の薄板(単板)を何枚も接着剤で重ね合わせ
製品ごとに異なる型(治具)に挿入し
巨大なプレス機で圧力と熱を加えて成形する。
単純そうに見えるこの工程ですが
全て職人が手作業で行っています。
天候に応じて接着剤の配合を変え
仕上がったときに積層面が均一になるよう
慎重に重ね合わせながら型に挿入し
割れやヨレが出ないように絶妙な加減で圧力を加えるなど
非常に複雑かつ高度な職人技が要求されるからです。
この成形合板の技術が、無垢材では表現できない
美しく柔らかな曲線のデザインを可能にしているのです。
強く、軽く、そして美しい、家具として理想の形に木を導く。
成形合板の技術を錬磨し続けてきた、天童木工のこだわりです。