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2018.06.19

ブルーノ・タウトの「緑の椅子」復刻に技術協力

この度天童木工では、ドイツ人建築家ブルーノ・タウト氏が1935年にデザインし、少林山達磨寺の所蔵する「緑の椅子」の復刻に協力させていただきました。

緑の椅子2018
緑の椅子 2018
緑の椅子1935
緑の椅子 1935

 
1933年に来日したブルーノ・タウト氏は仙台の工藝指導所で顧問を務めたのち1934年8月から1936年10月まで、少林山達磨寺(群馬県高崎市)・洗心亭に居住していました。その間にデザインされた数々の家具や工芸品は、その後の日本の産業デザイン・工芸の分野に多大な影響と功績を残しています。
 
「緑の椅子」も、当時デザインされた試作品のひとつです。氏が求めたスレンダーな造形の実現は当時の技術では難しく、オリジナルモデルには当時氏自身が行ったの強度実験によって折れた跡が残されています。
 
今回の復刻制作では「緑の椅子リプロダクト研究会」が、現代の技術を用いて「緑の椅子」量産化するプロセスのアーカイブ化に挑みました。3次元スキャンとモデリングを基に、構造の検証・図面化・量産化の検討が進められ、天童木工が得意とする成形合板技術のひとつ「不等厚成形」によって復刻を実現しました。
 
※ 販売は少林山達磨寺より予定されています。(発売時期・カラー・価格は未定)
 
■ 少林山達磨寺 ( 群馬県高崎市 ) http://www.daruma.or.jp/
群馬県高崎市にある縁起だるま発祥の寺。前橋城の裏鬼門を護る祈祷寺として水戸光圀公の尽力により開創。「少林山七草大祭だるま市」は星祭の縁日で、星祭大祈祷を厳修する正月七草(1月6~7日)の伝統行事。境内には、世界的建築家ブルーノ・タウトが1934年8月から約2年3ヶ月居住した洗心亭が当時の姿で残されている。御本尊「達磨坐像」と古今東西のだるまが展示された達磨堂や茅葺屋根の観音堂、招福の鐘、百庚申や古墳・句碑などパワースポット満載。また、桜・紅葉など四季折々の彩りが楽しめる。
 
■ ブルーノ・タウト (1880-1938)
ドイツの東プロイセン・ケーニヒスベルク生まれ。建築家、都市計画家。1993 年に来日し、3 年半に及ぶ滞在期 間の中で国立工藝指導所(宮城県仙台市)および高崎の群馬県工業試験場高崎分場(昭和11年群馬県工芸所に改組)で工芸指導にあたる。日本の産業デザイン・工芸の分野に多大な影響と功績を残した。
 
ブルーノ・タウトの緑の椅子 -1脚の椅子の復刻、量産化のプロセス-
– 関連書籍 –
『ブルーノ・タウトの緑の椅子 -1脚の椅子の復刻、量産化のプロセス-』
→ 書籍詳細 (外部リンク)
緑の椅子リプロダクト研究会編
発売日: 2018/6/15
ハードカバー、112 ページ A5 変形 (148×148) 2400 円+税
発行所:Opa Press
発売所:丸善出版株式会社
ISBN:978-4-908390-05-0